2018-01-01から1年間の記事一覧

宇宙の子供たち

大好きなアーティストの曲に「月へ行くつもりじゃなかった」という歌があります、灯油のにおいが立ち込める陰鬱な部屋でこの曲を延々と聞いてたあの頃を思い出しました。 自分は脚本を幹として枝分かれに演出、メイク、広告美術とやってきましたが、やっぱり…

「天国へ行けなくてもいい」

此処は、忘れるにはちょうどいい場所だ 流され、嬲られ、踏まれ、そこには何も咲いちゃいない 硝子を踏みしめる、一筋の光が私の虹彩を貫く 声が聞こえる 「私の××を返せ」 ここがハライソだと謳うなら、人間は人間なんかじゃない 私達の輪郭はあやふやにな…

「ここは、パライソなんかじゃない!」

作:鷹野皐月 登場人物 立花星菜(セナ) スミレ アザミ シキミ つくし レン アンズ 彼氏(兼役でもOK) 一割幕を閉め、幕の前に白い箱が置いてある ↑記者会見会場、現実世界 幕の向こう側には白い箱が点々と置いてあり、頭上には白い幕が垂れ下がっている…

私の狂気を見てよ

私の職場には一台のテレビが設置されていて、午後のお昼休憩時にのみ使用を許可されている まぁ見たい番組など見れずNHKの視聴を強いられているわけだ、平日のお昼時、ましてやNHKなど見たことも無く、最初はただ環境の変化への慣れの一種だと感じながら、た…

詩劇「リアル・スナッフ・フィルム」

詩劇「リアル・スナッフ・フィルム」 作:鷹野皐月 写真部の女A 写真部の女B 写真部の女C 写真部の女D 写真部の女E A:「美しい朝に、紺色のセーターが靡いている、白いブラウスとスカートのプリーツ、肉体はその下にある、血液がどろどろと歩く、私と…

文字での弔い

-東京都目黒区のアパートで両親に虐待された末に死亡した船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)は、ひらがなの書き取り帳に「反省文」を残していた。衰弱した小さな体で、何を思い書いたのだろう。その文章が多くの人の心を揺さぶっている。 -(毎日新聞より…

砂糖でできた女

パンは焦げてないほうが好きです。 あまり焦げてないほうが好きです。 飴色、表面に白の固形を、労るように優しく優しく、銀色のナイフですり込めていくのが、大好きです、あとパンの耳はちぎって無かったことにしてしまいます、でも、あとでちゃんと食べま…

酒鬼薔薇聖斗への手紙

右手にペンを、左手にはパンを。 「透明な存在」誰もが今いる環境、状態の言語化に悩み、苦しみ、時には腕を切って薬を飲んで、その一言が見つからないために、ビルの屋上から真っ逆さまに天国までダイブしてしまった人たちの言葉を、貴方は容易に赤のインク…